UNCE UPON A TIME IN TAIMA

映画をネタ的切り口で適当に書くブログ。更新滞り気味。

【ワンシーン批評】『ラッシュアワー』3度目の正直!遂にジャッキーがハリウッドの地に降り立つ!!

こんにちは。久々の更新となりました。タイマです。さて今回は映画のワンシーンのみを抽出して語るという体で映画を語っていきたいと思います。

 

完全にナガ@映画垢さんのブログ『ナガの短く映画を語りたい』のパクリでお送りしていきます。なにとぞよろしくお願いします。

 

【パクリ元】ナガの短く映画を語りたい

 

という訳で今回語る映画は『ラッシュアワー

1998年公開のアメリカ映画です。

言わずとも知れた香港のトップアクションスター、ジャッキー・チェン 。80年代の二度のハリウッド進出は失敗に終わるも、95年に三度目の正直で製作した『レッド・ブロンクス』がめでたくアメリカの興行収入成績1位を記録。遂にハリウッド進出を果たしたジャッキー・チェンアメリカ映画第1作がこの『ラッシュアワー』です。

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その映画から抽出するワンシーンがこちら。“Hollywood”の看板へぶら下がるジャッキー。遂にジャッキーがハリウッドの地に降り立った!ということを実に彼らしいスタイルで見せてくれている感慨深いシーンです。そしてこの作品も大ヒットを記録し、アジアのトップスターから世界のトップスターに仲間入りを果たしたということをまざまざとスクリーンで見せつけてくれました。

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でもしかし、このワンシーンはともかく映画としての私の評価は決して高くはありません。ジャッキー自身も後に自身の著書などで述懐しているように香港とアメリカのアクションにおけるスタイルや技術の差が露呈する形となり以前からのジャッキーのファンとしては色々と満足できないところが多々ありました。

 

 

 

 

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まずはジャッキーが堂々の単独主演ではないこと。クリス・タッカーを相棒としたバディ・アクションムービーとして作られました。ジャッキーがハリウッド進出に失敗した80年代のアクション映画はハードなバイオレンスが主流。更に2人のゴリゴリマッチョが雌雄を争っていた時代です。

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先立つブルース・リーが一時的にハリウッドへ起こしたカンフー・ブームの面影も既になく、

ジャッキーのコミカルで手数の多いアクションスタイルは全く受け入れられませんでした。ハリウッドへ進出を目指した時期が悪かったと思います。

 

 

しかしジャッキーのハリウッド進出が多少なりともハリウッドに影響を与え80年代末期から90年代へかけてコミカルなテイストを加えたアクション映画が製作され始めます。

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後にジャッキーのコミカルなテイストが受け入れられる基盤を作ったのがこれらの作品だと考えれば、『ラッシュアワー』がこれらの作品を踏襲したテイストのものになるという文脈が理解できます。また西洋と東洋の映画文化の融合という形を分かりやすく示す意味でバディ・ムービーにしたのではないかと考えます。

 

 

自分もバディ・ムービー自体は好物なんだけど…問題はクリス・タッカーなんですよ…

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とにかくこの男、ただただ煩いし鬱陶しいw個人的にはあんまし魅力を感じません。前述した文脈からしたらエディ・マーフィーの方が良かったなあって思うんですね。あくまでこれは個人の好みかもしれません。でもなんでジャッキーにこんな珍妙な男をくっ付けやがるんだ!って想いがあったのは確かですw

 

 

 

まあこれよりも、この映画にはもっと重要な問題があって。アクション映画の一番のキモであるそのアクション。この当時のアメリカではまだジャッキーのアクションスタイルをしっかりと活かせなかった。それが由々しき問題なのです。

 

ジャッキーのスタントは制限され、また編集でジャッキーのアクションは悉く殺されてしまっていた。そもそもの撮影のスタイルが違う。そこはジャッキーも大きく失望したそうですが。

 

香港映画には脚本は無しと言われていて、アクションシーンのクオリティを高めるためならば撮影期間もいくらでも伸ばして納得いくものを作り上げるし、また現場に良さげな橋であるとかビルであるとかがあればとりあえずジャッキーがぶっつけ本番でスタントに挑んでみるなど面白いことは何でもアドリブ的に詰め込んでいくというような自由奔放なスタイルなのです。

 

それに対してハリウッドでは組合もあったりしますしきちんとスケジュール通りにやる。その分アクションシーンに時間は取れない。まあ香港の現場が自由奔放すぎるというのもありますが…その撮影スタイルの違いによりジャッキーの良さが充分に活きなかったのも事実です。

 

またこの当時のハリウッドでは格闘アクション演出が円熟していなかったのもあるでしょう。筋金入りの香港映画ファンからすればこの辺の技量の差には落胆したものです。

 

香港映画から比べたら倍以上の破格の制作費が投入されるハリウッドのアクション大作ですから香港映画より更に物凄いジャッキーのアクション、スタントが観れるのではないかと単純に考えてしまうじゃないですか。まあでも現実はそんなに甘くなかった。ジャッキーのスタントが封印されてしまうとは思いもよらなんだ。

 

 

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そして面白いことに近年はハリウッドでトム・クルーズジャッキー・チェン化してきていますが、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』でのブルジュ・ハリーファでのトムの超絶スタントを観た時には、ああ…ジャッキーが世界へ羽ばたいた時にまさに観たかったのはこういうアクションスタントだったんだよ!!と思ったものです。

 

 

これだけに限らず今のハリウッドのアクションの驚くべき進化を遂げたのはジャッキーがアジアからハリウッドへの世界への扉を開け、それに続いてアジアの優秀な人材がハリウッドへ参入しアクションのレベルを底上げしていったからでしょう。その辺の話もまたの機会に詳しくしたいですね。

 

 

言うまでもなくジャッキーがハリウッドにもたらした功績はとんでもなくデカいものです。まあでもそれに比してジャッキー自身のハリウッドデビュー作はちょっとパッとしないものだったなというお話でした。よくよく考えたら全然ワンシーン批評に留まってませんねwタイマは短く映画を語れないのでしたw