UNCE UPON A TIME IN TAIMA

映画をネタ的切り口で適当に書くブログ。更新滞り気味。

チェーンソーの正しい使い方?!

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チェーンソーとは

多数の小さな刃がついたチェーンを動力により回転させて、鋸と同様に対象物を切ることができる動力工具の一種。(Wikipediaより抜粋。)

本来の用途は主に森林伐採に使われる道具ですね。しかし我々映画ファンにとってはホラー映画に登場する“殺人道具”としての印象が強いのではないでしょうか。

本来の用途として巨木を斬り倒すチェーンソーよりも血肉を撒き散らしてるチェーンソーの方を目にする機会の方が多いぐらいだと思います。

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チェーンソーを使う殺人鬼としてトビー・フーパー監督の『悪魔のいけにえ』(1974年)のレザーフェイスが真っ先に浮かぶ方が多いでしょう。

凶悪なエンジン音を響かせながらチェーンソーを掲げ迫ってくるレザーフェイスは強烈なインパクトでした。

ホラー映画における“殺人道具”としてのチェーンソーを最も有名たらしめたといえる『悪魔のいけにえ』ですが、意外にもホラー映画にチェーンソーを用いたのはこの映画が元祖ではないんですね。

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更に遡ること2年前、ウェス・クレイヴン監督による『鮮血の美学』(1972年)にて“殺人道具”としてのチェーンソーが初めて登場しました。

娘をDQNどもにレイプされた父母の凄惨なる復讐劇。人間を切り刻むというホラー映画的な使用法を実践したのはこの映画が元祖。

 

レザーフェイスのイメージから殺人鬼が使用するというイメージが強いチェーンソーですが

悪魔のいけにえ』以外では主人公サイドが使用することが多いと思います。

一般人が所持しても違法ではなく武器へ転ずれば多大な殺傷能力を発揮することが出来ると。こういうホラー映画の影響でチェーンソーをそもそも武器だと勘違いしてる人も少なからずいるらしい。(リンクの記事参照。)

 

この記事に書かれていますが実際にはチェーンソーの武器としての実用性は低いようです。

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まず武器としてリーチが短い。小型とはいえエンジンを積んでいるので相当の重量で取り回しも悪く携行性にも欠ける。作動音が煩く敵の注意を引いてしまう。燃料性であること。ガソリン式で継続稼働できるのは20〜30分程度。それに使用者の疲労も鑑み一度の作業時間は10分以内、1日2時間以内というルールもあるそうです。

ホラー映画ほど容易に使うことの出来るものではなさそうですね。あくまでもチェーンソーの武器化というのはホラー映画ならではのフィクショナルな設定です。

 

しかしそんなホラー映画の中にも恐らくこれが唯一、正しいチェーンソーの使用法を実践している映画が存在しています。

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それがコレ。タイ産ホラー映画『タキアン』です。

タイの山奥でダム建設のため森林伐採を繰り返す住民に森の守護神タキアンが殺戮を繰り広げるというスピリチュアルエコロジーホラー映画。

幾多のホラー映画にチェーンソーが登場しながら軽視されがちな本来の用途、森林伐採がしっかりと描かれた映画です。

とは言っても森林伐採するチェーンソーを観るだけならば林業青春映画『WOOD JOB!』を観ればいい話で。

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ちゃんとホラー映画の武器としてのチェーンソーの見せ場が存在します。

相対する敵にその刃を食い込ませてこそ!それがホラー映画の正しいチェーンソーの使い方というものです。

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物語中盤、森林伐採業者たちへ暴虐の限りを尽くす森の精霊タキアンに、現場を取り仕切る近隣村の村長がチェーンソーを手に怒りの突撃!!

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あれ………?結局ただ木を切ってるだけだな。

森の精霊タキアンは時として女性の姿を模っていたりするがその本体は巨大な霊木。

物理的に攻撃するには木を切り倒すというその一手しかない。傍目に見たらただオッサンが雄叫び上げながら物言わぬ木を切ってるだけなのでシュールですw

またその際のタキアンの攻撃方法が切り倒された他の木を突風で舞い上がらせ空から丸太を落とし人間をプチプチ潰していくというもの。

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無数に空を舞い飛ぶ丸太をかい潜りながらチェーンソーで大木相手に喧嘩を売るオッサン。

もうシュールを通り越してカオスですw

必ずしもリアリティを追求すれば映画が面白くなるという訳ではありませんね。

 

「ホラー映画にチェーンソーが武器として登場するけど実用性は皆無でリアリティがないよね。そもそも本来の用途は森林伐採とか…」

 

なんてのたまう奴にはこの『タキアン』を見せつけてやればいいです。一発で黙ります。

『WOOD JOB!』でも観てろ!!!

あくまで映画のファンタジーな武器として楽しむべきです。よりフィクショナルな設定を付加していけば小道具として扱いやすいでしょう。

有名なところとしては『死霊のはらわた』でしょうか。

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正確には2からですね。1は意外とチェーンソーの見せ場は少ない。

主人公アッシュ(ブルース・キャンベル)のヒロイックな武器として登場します。死霊に取り憑かれたために切り落とした右腕へ装着するアタッチメント方式。

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最新のドラマシリーズまでアッシュのトレードマークとなっています。並み居る死霊どもを一刀両断です。

そしてこの『死霊のはらわた』に倣って和製ゾンビ映画STACY』には「ブルース・キャンベルの右手」なるチェーンソーが登場します。

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その名の由来となったブルース・キャンベル同様片手へ装着するアタッチメント方式。

15〜17歳の少女が突如死亡しゾンビ化するという現象が世界的規模で蔓延する世界。

いつしかSTACY(ステーシー)と呼ばれるようになった少女ゾンビは家族や恋人にのみ再び殺す“再殺権”が与えられます。

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このステーシーを完全に殺すためには165分割以上の肉塊へと解体しなければなりません。そんな時頼りになるのがこの「ブルース・キャンベルの右手」です。

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この世界では完全にチェーンソーは武器、死体の処理道具として売られているんですね。普通に通販で買えるようです。いやはや恐ろしい世界もあったもんだ。

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さらにタイトルがズバリ!その名も『血まみれスケバンチェーンソー』では武器としての機能性を追求したチェーンソーが登場。

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何故かふんどし履きの無頼のスケバンであり解体屋を営む“鋸村ギーコ”はマッドサイエンティスト“蒼井ネロ”に改造死体にされた元クラスメイトたちとの闘いへ身を投じる。

様々な能力を持つ改造死体たちを相手に普通のチェーンソーでは太刀打ちできない。戦闘用へ特化された様々なギミックが仕込まれている。

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内蔵したシリンダー機構により伸縮自在の攻撃を繰り出す“つらぬきのチェーンソー”

これでチェーンソーの欠点であるリーチ不足を解消。

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そして刃を弾丸としたマシンガンと化す“撃ち込みのチェーンソー”

これで更なる遠距離にも対応できる。

まだまだこれだけに留まらない。お次は機能性を超えた機能美を追求したチェーンソーの登場です。

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これまた和製ゾンビ映画『ヘルドライバー』から日本刀型チェーンソー。

劇中での呼称はありませんが“チェーンブレイド”とでも呼んだら良いでしょうか。

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胸部に人工心臓として組み込まれたエンジンが刀身と独立した設計となっているためチェーンソーにおける重量や武器としての取り回しという欠点を解消しています。

片手でも軽々と扱え威力は絶大。武器としてこれ以上ない志向の逸品ですね。

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さて、つらつらとチェーンソーに関して記してきたのは何故かというと…

どうやら週刊少年ジャンプにて『チェーンソーマン』なる漫画が連載されているらしいんですね。

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青少年に絶大な影響を与える少年ジャンプです。まだ善悪の判断もつかない子どもがチェーンソーのカッコよさに目覚めてしまったらどうしようと危惧した訳です。

まだちん毛も生えてないんですよ、奴らは。

 

にわかに子ども達の間でチェーンソーブームが巻き起こっているかもしれません。

だからこそチェーンソーの正しい認識を持ってもらいたくこの記事を執筆致した次第です。

 

もしも、あなたの大して可愛くもないクソ生意気なバカ息子が

 

「お父さん!僕チェーンソーが欲しい!!」

 

なんて言い出した日にはこの記事を読ませて貰えると幸いです。

それと『タキアン』を無理やり見せて泣かしましょう。

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