映画と弾丸とエンドクレジット。
映画本編上映前の映画マナー告知。どの映画館へ行っても流れるお決まりの映像です。映画を楽しく鑑賞するに当たって上映中守るべきマナーが明示されます。代表的なマナーをあげてみると
・携帯電話のスイッチOFF。
・おしゃべり禁止。
・前の座席を蹴らない。
・禁煙。
・飲食物の持ち込み禁止。飲食物は売店で。
各映画館シネコンによって詳細は違いますが概ねあげられるところはこんな感じでしょう。さらりと持ち込み禁止と売店の利用がマナーのうちに含まれていますがこれは収入面での劇場の都合の方が大きいように思うんでマナーとして周知するのはちょっと違うだろうと突っ込みたいところですがそれは今回の話とは関係ないので省きます。
さて、映画を観るに当たって最低限上記のマナーさえ守ればみんなが楽しく映画を鑑賞できるということですが…
本当にそうでしょうか?
これしきのマナーだけで本当に誰もが映画を楽しく観れるのか?じゃあマナーには含まれていないから上映中に盛大にウンコを漏らしてもいいのか?!いいのかよ?!ブリブリ!!って話ですよね?そう、読んでいるかどうかは分かりませんがそこのレクターさん、そう思ったに違いありません。
いやいやいやいや待ってくれと。公衆の面前で脱糞することがダメなのはそれは“映画を鑑賞するためのマナー”ではなく“良識的な社会人としてのマナー”の範疇であって、それはわざわざ映画館が告知することでは無いということです。レクターさん、理解して頂けましたでしょうか。
しかし、しかしです。あくまで大人としての良識があれば犯すことのない映画マナー違反ですが排泄に関してはこれは生理現象です。抗いたくても抗えない、そんな時もあります。ましてや映画鑑賞は基本的2時間前後を拘束される環境下にあります。上映中に襲いくる生理現象との葛藤は観客が誰しも抱える命題です。特にこれは加齢に伴い深刻化していきますよね。うん、じぇれさんのこととは言いませんけど。
映画ファンならば眼前のスクリーンに拡がる光景を1秒足りとも見逃したくない!と思うはずです。だが生理現象は襲いくる…だが席は立ちたくない…そうなると選ばざるを得ない究極の選択としてその場で漏らすという選択肢に行き着きます。決して“社会人”としては許されない行動です。でも“映画ファン”としてなら上記の気持ちを理解し、許すことが出来るのではないか?いや、むしろ許して欲しい。そう思うのです。
例えば隣の席の人物がウンチを漏らしたとしたら、それが臭ってくるしケツにウンチが付いた状態ではどうにも座りが悪くて頻繁に体勢を変えるかもしれません。その度にプ〜ン…そりゃあ隣の貴方からしたら不快でしょう。でも映画ファンとしてはニッコリ笑ってその行動を心の中で賞賛してファンの鑑と称えつつ一緒に最後まで鑑賞して欲しい。
彼は生理現象との闘いには負けた…。
しかし大きな犠牲を払い
映画ファンとしての矜持を守り通したのだ。
そんな彼を称えよう。
志同じにする一人の映画ファンとして。
名前も知らない君だけど。
でもウンチの臭いだけは知っている。
それでいいんじゃないのかな。
人間だもの。
としを。
いやいやいやいや。さすがに短くない年数を生きてはいますが未だ映画館でこのような光景に出くわしたことがありません。いきなり隣でウンチを漏らされても事態を把握してきちんと対処できるかどうか不安です。それでは“社会人”としてのマナーを破る前に最低限“社会人”として漏らす前に事前に隣の人に告知することがマナーかもしれません。
「あ、あの….す、すいません…」
「は、はい?!」
いきなり話しかけたら相手は驚くかもしれません。眼前のスクリーンに集中している訳ですから。しかしいきなり脱糞の芳しき臭いで困惑させるよりはマシだというものです。
「あの、この映画…ずっとずっと楽しみにしてきたんですね。そして遂に今日初日ですよ。」
「は、はあ…」
なるべく簡潔に済ますべきですがこれから“社会人”としてあるまじき禁忌を犯すのです。丁寧にこちらの気持ちを伝えておくに越したことはありません。相手に理解してもらうためにも。
「楽しみにしていた映画だからこそ一分一秒でも見逃したくないんですよ…同じ映画ファンとしてこの気持ちはわかりますよね?」
「ま、まあ………」
「でも今ものすごくウンチがしたいんです…でも映画は見逃したくない…ならば…取る道はひとつ……」
「ま、まさか………」
「今からここで!!ウンコを放り出します!!」
「わかりました!!どうぞ!!」
「では、遠慮なくブリブリー!!!」
「ブリブリーーーーーー!!!」
はい、良かったですね。隣の人に同じ映画ファンとしての想いが伝わりました。ウンチの臭いを知られてしまった以上、相手とはもう只の関係ではありません。もしかしたら上映後に一緒に苦難を乗り越えた仲間として新しい友情関係が築かれるかもしれません。いやあ本当に映画って素敵だなあ……
いや、ちょっと待てよ……皆さん記事の最初の方に記述した映画館のマナー覚えてらっしゃいますか?
・携帯電話のスイッチOFF。
・おしゃべり禁止。
・前の座席を蹴らない。
・禁煙。
・飲食物の持ち込み禁止。飲食物は売店で。
なんてこった!!映画上映中のおしゃべりは禁止じゃないですか!!これじゃあ“映画ファン”としても“社会人”としてもマナーを犯すことになる!!二重犯罪ですよ。さすがにそれは再起不能です。じゃあ“社会人”としてのマナーを犯すだけで済むことを選ぶしかありません。つまり無言で漏らす。隣の方には迷惑がかかりますが致し方ありません。真の映画ファンならばきっと言葉を交わさなくても分かってくれます。そもそも言葉を交わすことは“映画ファン”としてマナー違反なのですから。
そしてこの問題、生理現象は時間の経過と比例してその危険性が増大します。さすがに上映開始直後からウンチが我慢できないことは可能性が低いと思います。まず事前にトイレに入るはずですからね。私はまず映画館に着いたらすぐにウンチしますし。危険性が高くなるのは終盤からエンドクレジットの辺りでしょう。
ここで新たなワードが登場しました。そうエンドクレジット。これもまた映画ファンの中では長年にわたり議論されている問題です。エンドクレジットを最後まで観るべきか否かと。私個人としてはどっちでもいいと思います。私は最後まで観る派ではありますがそれを他人に強制しようとは思いません。
ですが中にはエンドクレジットを最後まで観てこそ真の映画ファンだと、スタッフにも失礼だと言って憚らない人もいます。
そういう方は隣の人がウンチを漏らしたとしてもちゃんと笑顔で許せるはずです。何よりもエンドクレジットは最後まで観るべきなのですから。ウンチを漏らすことくらいなんてことないさ、それでこそ真の映画ファンだ。
私はウンチ漏らすくらいなら
さっさとトイレに行った方がいいと思いますけどね。
※お詫び
記事内にて“ナガ映画垢”さんの名前を織り交ぜることが出来ませんでした。深くここに謝罪申し上げます。次回執筆予定の『全米が勃った!全裸で映画鑑賞は是か非か?誰もが気持ちよくなる映画鑑賞マナー』編において“ナガ映画垢”さんの名前をご使用させて頂きたいと思っております。重ね重ね申し訳ございませんでした。