【ネタバレ解説批評】『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』
『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』
ジャングルに行ったらオドロいた!!まさかの〇〇〇〇〇礼賛映画!!
『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』観てきました。まさか一見おバカ映画の様相を装うこの映画に、とてつもなく深くてそして感動的なテーマが隠されていたなんて思いもしませんでした。今年に入って一番の感動作。私は涙が溢れて止まりませんでした……
今回は完全ネタバレでの解説をお送りしますので未見の方はご注意ください。
今作のジュマンジはボードゲームからTVゲームへと進化。ブレックファスト・クラブよろしく罰則で居残りを命ぜられた高校生4人組がこのゲームの餌食に。
プレイヤーキャラを選んだ途端に全員ジュマンジの中へと吸い込まれてしまう。適当にプレイヤーキャラを選んだ為に、オタク系男子がマッチョに、オタク系女子はセクシー美女に、スポーツ系男子がチビクロサンボにと本来の自分とは真逆のアバターへと変貌してしまう。
その中でも一番激しい落差があるのがインスタに熱中する今どきキラキラ系女子のベサニー。
キャラクター名の印象と豊満ボディという個性でもって選んだキャラクターは……
デブの中年オヤジ。確かに豊満ボディではあるが…性別まで逆転してしまった!!
見た目はオッサンだけど中身は女子高生…という難役を見事な演技で体現するジャック・ブラックが絶品です。私の中のベスト・オブ・ジャック・ブラックである“映画『ジャッカル』にてブルース・ウィリスにド派手に腕を吹き飛ばされるジャック・ブラック”を超えました。
さて、性別が逆転したら困るのは生理現象。クリアするまで長時間を要するジュマンジの中で必ず訪れる排尿排便は避けられない問題です。
どうしても尿意を我慢しきれなくなったオッサン女子高生…ここでまさかの行動に出ます。仲間の男子に“立ちションの仕方”のレクチャーを懇願します!!
「えっ?!マジで?!何この展開?!スッゲー!!まさか女子高生の為の立ちション講座なんてそんなマニアックなプレイが観れるとは……」
私の股間が反応したのは言うまでもありません。あっ誤解しないでくださいね!反応といっても私も尿意を覚えたってことではありませんからね!!まだ上映の2時間くらいは尿意を我慢できますって!!まだそれくらいの若さはあるぞ!!バカにすんなこのヤロー!!!
すいません、取り乱しました……
さて、これからベサニーの“はじめてのおつかい”ならぬ“はじめての連れション”が始まります。
「ウワァー!すごぉーい!ホントにワタシにこんなのが生えてるなんてー!!」
「ねぇー!凄いよマーサぁー!!良かったら見るー?!」
不覚にも私はここで感動してしまいました。
普通、おちんちんを初めて見た女の子が取る反応は顔を背けて「汚い!」っておちんちんの存在を否定すると思うんです。
でもベサニーは決しておちんちんを否定したりしません。真っ直ぐに見つめて自分からそれが生えていることに感動し、更にその感動を他の女子にまで共有しようとします。
「あー!出た出たー!!」
「男子の方が便利ー!だってこれハンドルみたいだよぉー!!」
更におちんちんの機能美にまで感嘆するベサニー。否定どころか、おちんちん全肯定です。
「スマホがあれば…この感動をインスタにあげられるのに……!!」
更におちんちんの感動を全世界にまで発信しようとするベサニー。常に最先端のキラキラを追い求めるインスタグラマーの彼女から見ておちんちんはそれほどまでに素晴らしいモノだったのです…!
未だかつてここまでおちんちんを全肯定し礼賛した映画があったでしょうか…?
否!そんなものは今までなかった!誰もがおちんちんから目を背けてきていたのだ!!
だがこの映画は全年齢向けなのにも関わらずに真正面からおちんちんを見つめて堂々と礼賛するという離れ業をやってのけてしまった!
これぞまさに映画革命!!革新的であるといえる!!!
そう….それまでの映画でおちんちんはずっと不当に否定され続けてきたんですよ。確かに公衆の面前で露出するのは公序良俗に反するし犯罪でもある。でもおちんちんの存在自体は否定される謂れはない!!生まれた時から生えてるんだものしょうがないだろ!!
なぜに汚らしいと罵られなければならない?!小便が出るからか?!殆どの男性はちゃんと小用後にちゃんと振ってる!!それでいえば女性器だって同じはずでしょ?!女性器が表立って否定されることは基本的になかった。
これは男女差別ならぬ“おちんちん差別”でございますよ。謂れのない差別に私たちの息子は今までずっと傷ついてきたのです。
2016年日本映画の最大のヒット作『君の名は。』もそうでした。不当なおちんちん差別描写が見受けられました。
男女の入れ替わりを描くこの作品、入れ替わりは起床から就寝にまで至る一日に及ぶ。もちろん生理的現象は避けられない訳です。きちんとその描写はなされますが……
東京に住む男の子、瀧の身体へと入れ替わってしまった女の子である三葉は初めて見たおちんちんに顔を赤らめて顔を背けます。まるで汚いものを見たかのように。どうにか独力でトイレを済ませますが更に顔を赤らめて涙まで流します。
そこまで嫌がらなくてもいいだろう!!これはおちんちんに対して非常に失礼な描写であると思います。
「分かったぞ……!!邦画をクソだと、邦画は敵だと言い張る奴らの気持ちが!!!」
本当にねえ…こういうところが日本映画のダメなところですよ。おちんちんを真正面から捉えずして何が映画だ!!きちんとおちんちんに真摯に向き合うならば三葉が瀧に“立ちションの仕方”を教えてもらう描写をするべきだったんですよ。
オッパイばかり揉んでんじゃねえっ!って話ですよね。
まあオッパイも大事だけども。
でも執拗にオッパイを描写するのであればおちんちんも対等に描写して欲しかった。そう思うのであります。
この様な不当なおちんちんの差別の歴史があったからこそ、おちんちんの存在を性的な意味を抜いて全肯定し礼賛までする今作に私は涙が止まらなかったのです……。
上映後には自然にトイレへと足が向き、股間に屹立するおちんちんの存在に有り難みを噛み締めながらありったけの水分を放出して、大切に股間を握りながら映画館を後にしたのは言うまでもありません。
ありがとう、おちんちん。ありがとう、ベサニー。ありがとう、ジャック・ブラック。
さて、このゲームをクリアして現実に戻るためには合言葉を叫ばなければなりません。
皆さん合言葉はもうご存知ですね?
さて、では皆さんご一緒に……
「叫べよその名を!!
おちんち━━━━━━━━━━━━━━━━━ん!!!!!!」